マコンデ彫刻家のジョージ・リランガ(1934-2005)は、1972年ダルエスサラームに設立されたNyumba
ya Sanaa(ニュンバ ヤ サナ
スワヒリ語で「芸術の家」)で活動を始めると、マコンデ彫刻から絵画(エナメルペイント、ドローイング、ゴートスキン)、版画(エッチング、木版画)、ローケツ染め(バチック)など平面美術を主体とするようになっていき、晩年には彫刻にエナメルペイントで彩色した作品も生み出しました。
そんなリランガの作品には「精霊=シェタニ」(マコンデ族における想像上の生物)が表現されています。
リランガが生み出す「精霊=シェタニ」は、半抽象的にデフォルメされ、カラフルであり、とてもコミカルで他にはない独自の創造性が評価されました。
今回は、彫刻や絵画など様々な作品を展示しますので、リランガの多彩な才能を感じていただけます。
マコンデ彫刻は、1950年代以降、作家たちの自由な発想で様々な作品が創造され、現代美術へと発展しました。そんなマコンデ彫刻のスタイルの一つに抽象彫刻があります。写実的な作品が中心であったマコンデ彫刻に、新しいスタイルを取り入れたのがサマーキ・リカンコーアでした。サマーキは1950年代に抽象彫刻やシェタニを創造し、マコンデ彫刻の発展に貢献しました。その後、メビウスの輪が複雑に入り組んだような作品のムワンジェマや、球体を取り入れた作品のクレメンティ・マティなどの抽象作家が誕生しました。 磨き抜かれたアフリカ黒檀の輝きとその洗練された抽象的なスタイルは、他のマコンデ彫刻にはない独特な魅力があります。 今回は、抽象的なマコンデ彫刻の代表作家の作品を中心に展示しますので、自由な想像力と感性が交錯する世界を感じていただけます。
マコンデ美術館は、タンザニアのマコンデ高原に住んでいたマコンデ族の彫刻を集めた美術館です。
リゾート・伊勢志摩の一角二見町で、アフリカの大地が創り出した生命力あふれる彫刻に出会ってみませんか?