広大なアフリカの大地には、多種多様な野生動物が生息しています。その中でも、足を持たない長い体のヘビは、古くから人々の畏敬の念を集めてきました。ヘビは、古い皮膚を脱ぎ捨て新しい皮膚へと生まれ変わることから、生命力の象徴として世界各地で崇められてきました。アフリカにおいても、ヘビは神聖な存在として、人々の生活や信仰に深く根付いています。
「蛇展」では、東アフリカ・タンザニアを代表する2つの芸術、マコンデ彫刻とティンガティンガ絵画に焦点を当て、ヘビがどのように表現されてきたのかを紹介します。
アフリカ黒檀を用いて作られるマコンデ彫刻では、ヘビはしばしばシェタニ(悪魔を語源とするマコンデ族の創造上の生物)の使い魔として登場します。これらの作品は、ヘビが持つ神秘性や生命力を象徴的に表現しています。
また、鮮やかな色彩で野生動物や生活を描いたティンガティンガ絵画では、ヘビを操る呪術師(シャーマン)の姿が描かれることがあります。これらの作品は、ヘビが持つ呪術的な力や、人々の生活と密接に関わってきた歴史を物語っています。
マコンデ彫刻とティンガティンガ絵画を通して、ヘビが持つ多様な意味合いや、タンザニアの人々の信仰と芸術の関係性を感じてみてください。